平成31年4月14日(日)、星桜が見事に満開の三渓園に於いて金沢煎茶道会協力・ライオンズクラブ主催の第55回慈善茶会が開催されました。
春のしつらえの「松香庵流」煎茶席には、青木夙夜の南画「晩春の風景」の軸を。お花は炉均窯の水盤に花海棠・満天星つつじ・都忘れ・樛木忍冬が活けられました。
お客様には宇治の玉露を味わっていただき、玉露は初めてとのお客様には、夏目漱石の「草枕」から、主人公が初めて玉露を喫する章【濃く甘く、湯加減に出た、重い露を舌の先へ一しずくずつ落して味わって見るのは閑人適意の韻事である。普通の人は茶を飲むものと心得て居るが、あれは間違いだ。舌頭へぽたりと載せて、清いものが四方へ散れば咽喉へ下るべき液は殆んどない。ただ馥郁たる匂が食道から胃のなかへ沁み渡るのみである】
...等を話題にしますと、“まさにその通り”とにこやかにご返事が返ってきました。
そして、松江から取り寄せたすずらんのお菓子を召し上がりながら、春の一日を主と客共に和やかに楽しみました。